Geminiに新メニュー「カスタマイズ」、スキルと連携アプリを一元管理 Gemは11月から移行へ

Geminiのスキル名が並ぶ画面のイメージ

Googleは、生成AI「Gemini」のアプリに、AIの応答のしかたと外部サービスとの連携をまとめて設定できる新メニュー「カスタマイズ(Customize)」を、2026年10月13日から世界で順次導入しています。Web版、スマートフォンアプリ、Windows・macOS向けのデスクトップアプリが対象で、追加料金はかかりません。あわせて、これまでの「Gem」は新しい「スキル」へ移行することが決まっており、個人アカウントでは2026年11月にGemのサポートが終わる予定です。

Geminiのスキル名が並ぶ画面のイメージ
画像:Google
目次

Geminiの新メニュー「カスタマイズ」の概要

カスタマイズは、Geminiの左側のメニュー(サイドパネル)から開ける設定画面です。これまでGeminiでは、決まった指示を保存する機能や、Gmail・カレンダーなどとの連携が別々の場所にありました。新しい画面では、繰り返し使う指示をまとめた「スキル」と、外部のアプリ・サービスとの接続を一か所で探したり、追加したり、外したりできます。

Googleの公式ヘルプでは、画面は次の3つのタブに分かれていると説明されています。

タブ できること
発見 Geminiに追加できるおすすめのスキルやアプリが表示される
コネクタ 接続済みのアプリと、これから接続できるアプリが表示される
スキル 使っているスキルと、追加できるスキルが表示される

提供時期・対象プラットフォーム・対象ユーザー

項目 内容
提供開始 2026年10月13日から段階的に展開(表示されるまで最大15日かかる場合あり)
対象 Web版、スマートフォンアプリ、Windows・macOS向けデスクトップアプリ
提供地域 世界各国で順次(日本を含む)
対象アカウント 個人のGoogleアカウント、Google Workspace Individual、すべてのGoogle Workspaceのお客様
利用条件 Geminiアプリを利用できる言語・地域で、ログインした18歳以上のユーザー(仕事用アカウントは管理者がGeminiを有効にしている必要あり)
料金 すべてのプランが対象(追加料金の案内はなし)

段階的な展開のため、10月23日時点でまだメニューが出ていない人もいます。アプリを最新版に更新し、しばらく待つのが基本の対応です。

「スキル」とは?Gemとの違い

スキルは、Geminiに「この作業はこう進めてほしい」と伝える指示を保存し、何度でも使い回せる仕組みです。2026年9月30日にGeminiのチャット画面へ導入され、10月13日からすべてのユーザーへ順次広がっています。文章のトーンをそろえる、回答の形式を毎回同じにする、会議の準備資料を作る、といった決まった作業に向いています。

Geminiでスキルの名前・説明・指示を設定する画面のイメージ
画像:Google

役割はこれまでの「Gem」とよく似ていますが、Googleは次の点を違いとして挙げています。

項目 Gem(従来) スキル(新)
使う場所 Gem専用の画面を開いて会話する いつものチャットの中で呼び出せる
組み合わせ 1つのGemで会話する 1つのプロンプトで複数のスキルを重ねて使える
作り方 Gemの作成画面で設定 チャットで「〜するスキルを作って」と頼む/スキル管理画面で作成・アップロード
形式 Google独自 Markdownで書く「SKILL.md」形式。ほかのサービスで作ったスキルも取り込める
Workspaceアプリ 使えない 使える(ただしGeminiアプリとは同期しない)

スキルはチャットの入力欄で「/」に続けてスキル名を入れると呼び出せます。Googleの管理者向けヘルプでは、この記号はまもなく「@」に変わる予定だと案内されています。また、内容が合うプロンプトを入力したときに、Geminiが自動で適切なスキルを使うこともあります。

用意済みのスキルと、ファイルの取り込み

一から作らなくても、Googleがあらかじめ用意したスキルがあります。公式サイトでは、Googleカレンダーなどの情報から次の会議の準備資料を作る「/prep-for-meetings」や、Workspaceで書いた文章から自分の文体を学ぶ「/match-my-writing-style」が紹介されています。

Geminiにスキルのファイルをアップロードする画面のイメージ
画像:Google

ほかのAIサービスで作ったスキルを使いたいときは、「設定」→「スキル」→「アップロード」から skill.md ファイルを取り込めます。アップロードするときに参考資料のファイルを添えておくと、Geminiはスキルを使うたびにその資料を参照します。

連携アプリ(コネクタ)でできること

カスタマイズのもう1つの柱が、外部サービスとの接続です。Googleのアプリに加えて40以上の外部サービスをGeminiにつなぐことができ、会話の流れのまま予約や注文などを頼めるようになります。公式のリリースノートでは、食料品宅配のInstacart、飲食店予約のOpenTable、写真編集のAdobeが例に挙がっています。

どのアプリをつなぐかはユーザーが選び、許可している権限の確認や接続の解除もこの画面からいつでもできます。仕事用のアカウントでは、組織の管理者が管理コンソールで、Geminiにつなげるアプリを制限できます。

注意したいのは提供地域です。Googleは、外部サービスとの連携の多くは現時点で米国の英語環境向けで、一部がほかの英語圏、ブラジル、インドでも使えると説明しています。カスタマイズのメニュー自体は日本でも使えますが、日本語環境で紹介どおりの外部サービスがすべて使えるわけではありません。どのサービスが日本で使えるかの一覧は公式に示されていないため、「コネクタ」タブで実際に表示されるものを確認するのが確実です。

Gemからスキルへの移行スケジュール

Gemを使っている人にとって大事なのが、移行の日程です。Googleが公開している予定は次のとおりです。

時期 内容
2026年10月13日〜11月中旬 Geminiアプリでスキルを全ユーザーに順次提供。この間はGemとスキルの両方を作成・利用できる
2026年11月 個人アカウントのGemのサポート終了(11月17日にGemがGeminiアプリの「設定」に移る予定)
2027年3月1日以降 Workspaceのビジネス・エンタープライズ・非営利団体向けでGemが使えなくなる
2027年6月1日以降 Workspaceの教育機関向けでGemが使えなくなる

既存のGemは、終了に合わせて自動でスキルに変換されます。Workspace向けの公式ヘルプでは、変換されたスキルは「下書き」の状態で一覧に入り、作った本人が内容を確かめて有効にするまで使えない仕組みだと説明されています。Gemの名前・説明・指示・アップロードした資料ファイルは引き継がれます。

使うときの注意点

  • 18歳以上が対象:個人アカウントでのスキルとカスタマイズの利用は、現時点で18歳以上が対象です。
  • Workspaceとは同期しない:GeminiアプリのスキルとGmail・ドキュメントなどWorkspaceアプリ側のスキルは別々に管理され、自動では同期されません。
  • 移行後は動作を確認:Gemから自動で変換されたスキルが、以前と同じように答えるとは限りません。大事なGemは、指示の文章を控えておき、早めにスキルとして作り直すと安心です。
  • 連携は権限を確認:外部サービスをつなぐと、Geminiがそのサービスの情報を扱えるようになります。使わなくなった連携は「コネクタ」タブで解除しておきましょう。

独自の考察:Geminiは「アプリをまたいで動くAI」へ

今回の変更は、メニューが1つ増えたという話にとどまりません。指示の保存(スキル)と外部サービスの接続(コネクタ)を同じ画面に並べたことで、Geminiは「質問に答えるチャット」から「自分好みの手順で、ほかのアプリも動かすアシスタント」へ性格を変えつつあります。当サイトで先日取り上げたAndroid AutoのGeminiのパーソナル インテリジェンス対応と同じく、個人の情報やアプリとつながることで便利さを高める流れの一部といえます。

スキルがMarkdownの「SKILL.md」形式を採用した点も見逃せません。ほかのAIサービスで作った手順書を持ち込めるため、特定のサービスに縛られにくくなります。複数のAIを使い分けている人にとっては、使い慣れた指示をGeminiでもそのまま使えるのが利点です。

一方、日本のユーザーにとっては、外部サービス連携が当面は米国の英語環境中心という点が物足りないところです。日本で使う場面を考えると、まずはGmailやGoogleカレンダーなど、Googleのアプリとスキルを組み合わせる使い方が現実的でしょう。たとえば「メールの返信はこの文体で」「議事録はこの形式で」といった自分ルールをスキルにしておけば、スマートフォンからでも毎回同じ品質の答えを得やすくなります。Gemをたくさん作っている人は、11月の移行より前にスキルを試しておくのがおすすめです。

よくある質問

カスタマイズのメニューが表示されません。

2026年10月13日から段階的に展開されており、表示まで最大15日ほどかかる場合があります。アプリを最新版にして待ってみてください。仕事用・学校用のアカウントでは、管理者がGeminiを有効にしている必要があります。

スキルを使うのにお金はかかりますか?

Googleはカスタマイズとスキルを「すべてのプラン」で提供するとしており、追加料金の案内はありません。無料のGoogleアカウントでも使えます。

今使っているGemは消えてしまいますか?

Gemの終了に合わせて、自動でスキルに変換されます。Workspace向けの説明では、変換後のスキルは下書きの状態になり、本人が確認して有効にする必要があります。念のため、大切なGemの指示内容は控えておくと安心です。

日本でInstacartやOpenTableとつなげますか?

外部サービス連携の多くは、現時点で米国の英語環境向けです。日本で使えるサービスの公式な一覧は示されていないため、「コネクタ」タブに表示されるものを確認してください。

まとめ

Geminiの新メニュー「カスタマイズ」は、繰り返し使う指示をまとめた「スキル」と、Googleのアプリや40以上の外部サービスとの接続を一か所で管理できる設定画面です。2026年10月13日から、Web・スマートフォン・パソコン向けアプリで世界に順次広がっており、日本でも使えます。外部サービス連携は当面米国の英語環境が中心ですが、スキルは日本でもすぐに役立ちます。Gemは11月から順にスキルへ移行するため、Gemを使っている人は早めにスキルの使い方に慣れておきましょう。

参考ページ

Geminiのスキル名が並ぶ画面のイメージ

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